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フランス海軍 ダンケルク級戦艦の特徴、性能、略歴まとめ【海軍艦艇】

▲ダンケルク停泊中

 

ダンケルク級は、攻撃力・防御力・機動力のバランスを高い次元で実現した世界最良の中型戦艦で、旧式戦艦ばかりを保有していた仏海軍がようやく建造した新型戦艦である。

内外にはドイツの装甲艦「ドイチュラント」級に対抗するためと喧伝されたが、実際には次期主力戦艦への実験艦的意味合いが含まれていた。

その為、旧来の技術に囚われない自由な設計が出来た。主砲・副砲の四連装砲塔採用による軽量化、機関のシフト配置による生存性向上、対空電探の採用、対空水上用両用砲の採用、 水線下装甲区画への浮力材の充填による対水雷防御、等が取り入れられた。

これらの工夫により、「装甲区画の短縮による軽量化」に成功。浮いた重量を防御装甲の充実と搭載燃料の増加に利用できた。

装甲範囲は全長の60%に及び、船体重量の40%を装甲重量に充てられた。

 

あらゆるデザインの美の構成で右に出るモノの無いと自称する仏国らしく、船体デザインの元になったと言われる英国の「ネルソン級」を、美しくスタイリッシュにまとめ直している。

船体は中央楼型で、艦首の乾舷は高く、本級の凌波性能が高いことをうかがわせる。

本級より新設計の「1931年型33cm(52口径)砲」を「四連装砲塔」に納め、1・2番四連装主砲塔を砲塔間隔の空いた背負い式に2基装備。

司令塔を組み込んだ操舵艦橋の背後には戦闘艦橋が上に伸び、戦闘艦橋と操舵艦橋の中部には2基の対空射撃管制装置がつく。

戦闘艦橋の頂部には、世界的に見ても大型の10.5m主砲用測距儀が1基、その上には6m副砲用測距儀が2基載り、これらは独立して別方向に旋回できる。

測距儀等を囲むように台形の見張り台があり、四隅には四対の信号マストが伸びている。艦橋は艦載艇を吊り上げる2本のボート・ダビッドの基部も兼ねている。

煙突はキャップのついた直立型で、その背後から後檣まで一段高められている。

後檣は一見、艦橋同様に3段の測距塔を載せているように見えるが、下段の2基は主副共用の6m測距儀であるが上部は円形の装甲司令塔で旋回はしない。

後檣はシンプルな十字型のマストがつく。後部副砲から尾部にかけては水上機を運用するスペースと成っており、大型の格納庫と回転式カタパルトが一直線に並ぶ。

(これらの施設は副砲射撃時の射界を制限する為に本級の発展型のリシュリュー級では改善された)

 

竣工直後はジョージ6世戴冠記念観艦式に参加。日本の「足柄」やドイツの「アトミラル・グラーフ・シュペー」らと共に各国海軍の注目を集めた。

(他の国々は第一次大戦型の旧式戦艦ばかりで、余計にこれらの先進性が際立った為。

また、ホスト英国のネルソン級は本級に比べると「石炭タンカーとクルーザーほどの違い」と米国の大手新聞に辛口の批評を頂いた)

 

第2次大戦初頭ではドイツ装甲艦の追撃作戦に参加しており、上記の工夫は無駄ではなかった事を証明している。

後にフランスが降伏してしまったためヴィシー・フランス政権の指揮下に入り、最小限の訓練しか出来ない状況におかれた。

しかし、1940年7月3日に北アフリカのメルセルケビル港にて停泊中に、英国艦隊の攻撃を受け「ダンケルク」は大破座礁(後に浮揚され、トゥーロンにて修理を受ける)、

同型艦の「ストラスブール」は損傷を受けつつも脱出に成功し、トゥーロンに帰還した。

その後大きな作戦に参加することもなく、1943年にドイツ軍の接収をおそれ、両艦ともに自沈してしまった。

その後「ストラスブール」だけはイタリア軍によって浮揚されフランスに返還されたが、アメリカ空軍のB25爆撃機の爆撃を受けて再度沈没し、戦後解体された。

「ダンケルク」も終戦後に浮揚、解体された。

 

ダンケルク級 性能()はストラスブール
排水量 基準:26,500トン 常備:30,264トン(31,687トン) 満載:34,884トン
長さ 全長:215.14メートル 水線:209メートル
ボイラー Inderet罐・重油専焼×6
タービン ラテュ式ギヤードタービン×4 4本 (パーソンズ式ギヤードタービン×4 4本)
出力 13万3730馬力
速力 30ノット(公試時31.5ノット)
航続距離 15ノット―7,500海里
燃料×満載 重油×6,500トン
乗組員 1400人
武装 52口径33cm4連装砲×2 52口径13cm連装砲塔×8 60口径37mm連装機関砲10基(8基)、13.2mm連装機銃16基
飛行機 ロアール・ニューポール水上機×3 



ダンケルク フランスのドーヴァー海峡に臨む小さな港町。第二次大戦での激戦地の一つ。
ストラスブール フランス東部ライン川左岸に位置する都市。

 

ダンケルク
1932年 12/24 ブレスト工廠にて起工
1935年 10/2 進水
1937年 4/15 竣工
1939年 第二次大戦勃発により大西洋方面へ派遣
      8月 英海軍と共同(L部隊)で独装甲艦「グラフ・シュペー」追撃作戦に従事
1940年 6月 フランスの降伏により、ビシー政権の指揮下に入る
      7/3 北アフリカ・メルセルケビール港にて英艦隊の攻撃を受け大破着底
1941年 浮揚後、ツーロンへ帰還する
1942年 11/27 ドイツ軍の接収をおそれ、ツーロンにて自沈する
1945年 浮揚後、解体処分される

 

ストラスブール
1934年 11/25 ロワール造船所にて起工
1936年 12/12 進水
1938年 12月 竣工
1939年 第二次大戦勃発により大西洋方面へ派遣
      8月 英海軍と共同(Y部隊)で独装甲艦「グラフ・シュペー」追撃作戦に従事
1940年  6月 フランスの降伏により、ビシー政権の指揮下に入る
      7/3 北アフリカ・メルセルケビール港にて英艦隊の攻撃を受け損傷するも脱出
1941年 ツーロンにて修理を実施
1942年 11/27 ドイツ軍の接収をおそれ、ツーロンにて自沈する
1943年 ドイツ軍の手により浮揚される
1944年 8/18 英空軍機の爆撃を受けツーロン港内にて沈没
1945年 浮揚後、解体処分される